06.学習

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誰よりもこの子のことは私が分かっているつもりなのに・・・ ある日突然、愛犬の行動が分からなくなる。そういう場面に遭遇したことないだろうか?

犬を飼い始め、早い子で一歳前後、遅くて二歳にかけて、以 前には見られなかった問題行動が見受けられるようになる。愛情一杯で育てられ、すくすくと大きくなっていく。子犬の頃から「忍耐―耐える心」を教えられず にいると、成犬になってあらゆることに我慢することが出来なくなり、結果的にあらゆる事に対して、自分の意志を通そうとする傾向がでてくる。確かに小さい 頃は、かわいさ故に許してしまう事は多い。 最近よく聞かれるのが「どうしたら、うちの子の○○○をやめさせられるの!?」という質問。
例えば、お散歩の準備をし始めると落ち着きがない、お 散歩の時に引っ張る、人へのジャンプ、拾い食い、それらの質問の要点は「どうやったら、うちの子のそういった問題行動をなくせるか!?」つまり悪い習慣を 無くしたいという内容であるといえる。しかし、犬達が幼少期から学んできた習慣は二度と消しゴムで消し去ることは出来ないのだ。 罰とは、犬達が犯してしまった(我々が望まない)問題行動に対する対処であり、すぐにそれがどれほど悪いことであったか伝える必要がある。罰には「恐怖・嫌悪感」が伴うものであるので、犬達は望まれない行動をしないようにと学ぶかもしれない。 しかし、それだけでは犬達は同時に何を望まれているのか?を学ぶことは出来ない。要望を犬達に伝えるためには、まずは家族が望む、理想の行動を愛犬 に教えてあげることが重要である。もし、犬が家族の望む行動を選択してくれたら、犬を褒める機会も増え少なくとも間違った行動を選択する機会は減る。 これらの事前対策は、様々な問題行動に対して、大変有効である。
悪い行動を消しゴムで消すのではなく、それ以上に理想の行動を鉛筆で書き込むこと が有効である。

Leash(引き綱)や鍵を手にすると吠え、家の中で運動会をはじめる犬はいないだろうか?靴を履こうとしても落ち着いて履けず、玄関 のドアを開けたら我先にと引っ張る。

このような傾向がある犬には、下記のような「書き込み」をしてあげたい。 【ダウンロード方法(例)】 ・最初に閉まった状態で玄関のドアの前でお座り [SIT] をさせる。(トリートの使用可) ・この時、興奮する犬をさらに興奮させないように注意する。 ・ 一度、犬がドアの前で座ったら片方の手でトリートを隠し持ち、匂わせ動かないように [SIT] コマンドを繰り返しながら、
違う手でドアを少しだけ開ける。 ・ [SIT]を継続できたら、ドアを閉める間、褒めながら手に持っていたトリートをあげる。 ・   次のトリートを用意し、さらにお座り [SIT] を継続。再び褒め、動いてしまう前にタイミング良く、解放コマンド [FINISH] を出し、トリートをあげ、賞賛する。 ・   
[FINISH] コマンドはお座りが「終了である」という合図になる。良くできた!という気持ちを込めて出したい。 これを毎日心がけると、多くの場合、ドアを開けてもじっと合図が出るまで玄関の前で、前向きな姿勢で待てるようになる。
もちろん、トリートも必要なくなる。なぜならば、「ご褒美」とは、親愛なる家族と一緒に外にでられることなのだ。 こういった練習は、飼い主としての威厳も示すことにもつながる。もし、上手くいかない時があっても、責めないように注意してほしい。指示を出している飼い主の方に落ち度がある場合もあるからだ。 「消しゴムよりも鉛筆」覚えておいてほしい。 (2004.05.18)