02.ボディーランゲージ

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映画でよく見る護衛犬(ガードドッグ)。耳がとがったドーベルマンや大きいシェパードが有名ですが、彼らって、ほんとにいつも眉間にしわを寄せてい るのでしょうか?悪役の人たちは、通常はいいおじさんのようだけど。

ガードドッグは「プロテクション」っていうトレーニングをきちんと受けて勉強した 犬達。プロテクションとは、ハンドラーの指示に従って、相手を脅かしたり、追っかけたり、噛んだりする事が出来るように教育されるトレーニング。公園で吠 えている犬とガード・ドッグの「吠え」を一緒にしてもらっては困る。 公園で吠えている犬のワンワン!は「相手に対する恐怖心の自己アピール(これ以上相手に近づいて欲しくない!)」や、飼い主の方への要求ほうこう。「ボール投げて!」といった要望吠えが多い。 一方ガードドッグのワンワン!は完全に相手を脅す吠え方。相手が「怖い」と思ってくれたら彼らの手中に入ったようなもの。ちょっとした相手の「おびえた」表情をみて「おっ、こいつビビリやがった!」と勝ち誇る。それが彼等の仕事なのだ。 さて、見知らぬ犬にいきなり吠えられたり、怖そうな犬が自分に近寄ってきたら、あなたならどうするだろうか?怖くて、立ちすくんでしまうのではないだろうか? そういった状況下でどうしたらいいかわからない人や、間違った認識でいる人、案外多いと思う。そんなとき、生き延びるためには、あなたはどうしたらいいだろう? 犬は、自分の体を使ったボディー・ランゲージを通して、常にみんなに話しかけてるという事を覚えておいて欲しい。また同時に犬は、あなたをはじめ、 家族みんなの行動も詳細にチェック&理解している事も。しかし、ときに、人間のボディー・ランゲージは犬のボディー・ランゲージと矛盾することがある。そ こがやっかいであり、面白いところでもある。 例えば、犬は挨拶をするとき、どちらが上位か?というボディー・ランゲージを使って、友達になれるか?敵か!?を判断しようとする。

犬は自分を 優位に見せようとする場合、尻尾をあげて毛を逆立て、耳を前傾にする。逆に従順な気持ちを表現する場合は尻尾を下げ耳を後ろにやって、こぢんまりと佇 む、、、怖がっていないサインでもあるんだ。そして、目線を避けようとする。

もしA という犬が頭や手を B という犬の肩や頭に置いた場合、さらに犬 A は犬 Bにマウンティングしようとするかも知れない。しかし、もし犬 B が犬 A の優位を認めたくないとしたら犬 A に対してはっきりと「相手を嫌がる態度」を見せる、見せることが出来る 。 人間社会の挨拶ではまず相手の目を見て、白い歯を見せ、笑顔で「こんにちは!」これが社交的な挨拶といえるだろう。と同時に、頻繁に見られる人間の 犬への挨拶の仕方は、、 、
立ったまま前屈みになり、よしよし!と犬の頭をなでる。
犬は、こういった人間が立ったまま自分の頭を撫でる行為を「押しつけ優位」として解釈する傾 向にある。目線をあわせて、笑顔で歯を見せる、、、これは犬達に喧嘩をうっているようなもので、相手を興奮させてしまう可能性がある。そういった挨拶をし て唸られたり噛まれそうになった経験はないだろうか? 誰だって突然犬に吠えられたら驚くもの。そうするとギョッとして目も見開くだろうし体をのけぞり、口も開く。そうすると口からは白い歯がキラリ。こ ういった反応もその犬を益々興奮させる原因になりえる。そういった予期せぬ犬の登場をうまく乗り切るには、我々人間が犬語を話せるようになれば早い。

 もし犬に出会ったらまずはしゃがんで「私はあなたに恐怖心を持っていませんよ」というサインを出して
「お友達になろうよ」っていう犬語で話しかけてみよ う。その時、頭と体は右か左かに向けて、目線は合わせないようにしようね。「ほら!大丈夫だよ」って実際に話しかけても良いけど、絶対に歯を見せないよう に。舌なめずりはお勧め!これは裏技です。
その後犬を撫でるときは手を広げて彼らの体の横や方の部分を撫でてあげよう。頭は駄目だよー。 もしあなたが怖そうな犬と遭遇した時には、決して逃げない事、これが最低条件。怖くても逃げると犬はあなたを追いかけたくなる。では、どうすればい いかというと、振り返ってその犬に自分の背中を向けて、じっと我慢。死んだ振りは、わざわざしなくてもよろしい。そうやって「私はあなたに恐怖心を持って いませんよ」というサインを出していれば、それ以上の犬からの威嚇はあり得ない。

犬に人間の言語を理解してもらえる日を待つよりは、あなたが犬の習性 を理解することに希望を持ちたい。 アニメで犬に追われる映像が、見られなくなる日が来るだろうか。 (2004.02.05)