FIDO と初めてのセント・トレーニング(くんくんゲーム)に挑戦した。
セント・トレーニングとは、その犬の本質が見えるメンタルトレーニングともいえる。果たして、FIDO がどの様な反応を見せてくれるか?楽しみだった。
初歩のレベルにトライしたが、反応はまずまず。私はそれよりも彼の臭いの嗅ぎ方に興味を持った。FIDO は現在9ヶ月。嗅ぎ方はパピーそのもので、体力任せに、ひたすら臭いを嗅ぎ続ける。しっぽとお尻を振りながら、気になるところに自分の鼻を持って行き「くんくん、くんくん!」と音を立てる。しかし、バセットハウンドやミニチュアダックス等のように、もともと嗅ぐことに対して「センス」を持っている犬種には及ばない。
犬の臭いの嗅ぎ方は、犬種の特性と性格によって、大きく異なる。得意とされる犬種であっても「おっとり性格」では、それほど興奮しないから、犬種でその犬の特性を決めつけるのは必要十分条件ではない。ところで、犬のマズルについてのこんな秘密を知っているだろうか?犬はなんと人間と異なり、鼻から空気を入れる時も出す時も、両方臭いを嗅ぐことが出来るのだ。また、口腔が長い犬種は、臭いを感知できる部分を、より多く持ち合わせていると言っていい。
通常、「鼻から吸って、鼻から出す」という嗅ぎ方をする犬だが、練習を継続すると、今度は吸った後に一度臭いをため込んで、はき出すようになる。これは、口だけで吸ったりはいたりして、香りを楽しむ葉巻と、一度、肺に煙をためる煙草を足して2で割ったようなフィーリングだ。
前文に、挙げたような犬種は、もともと臭いを嗅ぐためにブリーディングされてきたような犬種なので、この、葉巻と煙草の本当の楽しみ方を生まれながら知っている。これまで、セント・トレーニングを担当した子達を思い出しても、そういった犬種の子は、初めからダンディーな吸い方を知っていたから不思議だ。
そういえば、確かに、みんなしぶかった。FIDO は、残念ながら、まだまだダンディーにはほど遠いが、これから、大人の嗅ぎ方が出来るように、大人の世界の魅力と楽しみ方を教えていきたいと思っている。
そして、それは何よりもお互いのリレーションシップの確認と構築、そしてこちらのリーダーシップ・アピールに効果があり、僕自身の興奮材料でもあるのだ。
(05.10.07)