22.体力よりも知力

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1日どれくらい散歩をしているだろう? ライフスタイル、住んでいる環境、犬の体格によって、散歩の時間と内容はそれぞれだろう。 しつけの本では、犬の集中力はたかだか数十分だと表記されているが、牧羊犬や狩猟犬として、それぞれ、先祖代々受け継がれてきた物理的な体力は、それらを超える。少々のことで疲れてしまうような大人しい犬では、逆に当時は「駄目な犬」として称されただろうから、当然だろう。どれほど走っても、急な坂を上っても、飼い主を引っ張り続けたとしても、少々のことでは息を切らすこともバテることもない。 犬は「4WD (四輪駆動)」だ。後輪駆動の飼い主とは異なる。確かに下りは案外つらいものがある。パピーの時に階段を下れないのには、それなりの恐怖感があるだろう。 さて、4WD という素晴らしい犬力(馬力)と体力を持ち合わせている犬だが、それ以上に忘れては行けないのが「知力」である。 牧羊犬、狩猟犬としてブリーディングされてきた犬は、それぞれ、牛や羊等の家畜、小動物等を凌ぐ洞察力を持ち合わせている。愛玩犬と呼ばれる犬種も、飼い主のアテンションを集めたり、世話を焼いてもらうための、様々な裏技をそれぞれ開拓してきた。愛玩犬は、とことんかわいがられるのが仕事。したがって、意味なく、可愛いのではない。そういった、本来その犬種が持ち合わせた「知力」を上手く刺激してあげることは、犬も嬉しいだろうし、飼い主だって今よりもっと楽しめるはずだ。 Leash(リーシ)をつけた状態で飼い主と同じ距離を歩くだけの散歩のイメージで、体力を消耗させるのは実際酷だ。物理的に消耗させるために自転車で散歩している人がいるが、犬の関節と筋肉への刺激を考えるとお勧めしない。 散歩時、犬は色々なところの臭いを嗅ぐ。その中でも、毎回臭いを嗅ぐところがないだろうか?そこはまさにお気に入りの「朝刊」が置いてあるところであり、臭いを嗅ぐことによって、その日の最新の情報を入手するために、朝刊を読んでいるようなものだ。そういった臭いの情報交換も大事な散歩要素である。さらに、物理的な運動よりも案外疲れるのがメンタルな運動であり、「飼い主の事を気遣う散歩」を指す。 Leashを持っている飼い主が、どういうペースで歩いているか?今日は何処に行こうとしているか?常に飼い主を気遣う散歩。人間社会における「気疲れ」に似てる。また、物理的な運動は、休めば直ぐに回復するが、この「気遣い」というのは、いい疲労として長続きし、翌日以降に「落ち着き」を与える。 盲導犬、介助犬等のワーキングドッグが短命な理由のひとつはここにある。彼らは仕事中、常に「気」を使い続けている。 そこで、「散歩=犬のエネルギー発散」というこれまでの「義務感」を伴った散歩を改善したい方は、犬力(馬力)と体力に自信がある 4WD よりも、安全性と信頼性、そして機能性を統括する「知力」が備わった 4WD の操縦に注力してみてはいかがどうか? (05.10.07)