48. しつけクラス

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ストスマー達へ 「しつけクラス」「マナークラス」「しつけ訓練」 いろんな表現があるが、DOGSHIP では、そういった部類にはいるだろうクラスを「ストリート・スマート」と題して、少犬頭制グループクラスとして開催している。 名前の由来は、「街中を犬と一緒に歩いていて、端から見ても『ステキだな』って思えるようなコミュニケーションがとれるようになる」こと。つまり「ストリートをスマートに闊歩する!」からきている。そのためにも、室内でも有効で、屋外でも気持ちいいコミュニケーションを目指して、効率と結果を第一にプログラムを組んでいる。 家庭犬は24時間、飼い主からオリジナルなルールを強いられる。時には飼い主の気分次第で、そのルールは変更される可能性もある。また、ほぼ no leash、つまりリーシがつながれていない状態で飼い主は犬を制御しようとする。 訓練・教室・しつけクラス・・・というと、スニーカーにジーンズ、腰にはおやつ入れ、なんてパターンが目に浮かぶ。でも、犬は良く人間を観察しているもので、飼い主がそのような格好をしている時、そんな雰囲気の時、その場所では、指示に従うと、褒められ、おやつをもらえることを知っている。だから、場所が変わったり、腰のおやつ入れが装着されていなかったり、普段着だったり、ソファーでくつろいでいるときには、指示を従うどころか、自由気ままな犬が介在できる。犬は全てお見通しなのだ。 訓練所の犬は、ある時間内、だれも邪魔をしない環境下において指示に従う事を学び、競技会ではそれを競う。しかし、家庭犬は、家庭犬なりにかなりレベルの高い内容を強いられることになる。それは、上に挙げたように、ほぼ24時間、no leash で、邪魔が一杯、矛盾も沢山な人間界に置いて、飼い主の機嫌をうかがいながら、生活を送らなければならないからだ。 しつけクラスではできるのに・・・という「ぼやき」。これは、我々にとって痛い言葉だ。週に一度のしつけクラスが、しつけクラスのためのしつけクラスになっている場合、これがあり得る。しかし、それでは、時間と労力、そして授業料の無駄だ。やはり、現場ともいえる「家庭」や「街中」で、「出来る」必要がある。どれほど現場で有効か?その、効果が全てではないだろうか? ただ、家庭犬の場合、そこには必ず「飼い主」という人間が存在するわけで(犬が一人で散歩することはあり得ない)、犬を管理・観察できる人であることも必要になってくる。家庭犬のしつけが難しいのは、この時の「飼い主」にも学んでもらう必要があったり、しつけクラスに通うその「飼い主代表」が、帰宅後家族に指導・説明しなければならいところにある。 では、どうしたら、現場である「家庭」で、犬たちの「立ち居振る舞い」を変えることが出来るのだろうか?ここで、「立ち居振る舞いを変える」と書いたが、ここも大事な点。犬の性格を変えようと思ってはいけない。我々人間だって、性格は、そうそう変えられない。そこには、痛みとストレスが必ず強いられる。 犬の「立ち居振る舞い」を変えるには、ひとつに、犬の「自主性」が Key となる。犬が「(そう)したい」と思えることが、結果を生む。また、犬が好きな「矛盾」を沢山起こさせることも重要で、またその時の経験の持たせ方が Point になる。例えば、いつも同じ格好ではなく、日常生活のように、だらけた!?格好や、逆にオシャレをしてクラスに参加してもらう。また、「やるぞ!」という雰囲気をなるべくなくすために、椅子に座ったり、床に寝そべったり、だら〜っとした雰囲気でのトレーニングを遂行する。 そして、何よりも大事なのは「犬の変化」を観ることが出来る「観察眼」を飼い主自身が持てるようになることだ。日常にトレーナー等、専門家は同席していない。そこにいるのは、犬と飼い主だけだ。犬に何か変化なり、反応が見られたときに、とっさに、より最善といえる判断と対処、そして次の予防策を選択・実践できるかどうか?その判断力は、クラスでのシュミレーションで飼い主が身につけることが出来る。 クラスが90分とした時、その「90分が楽しい」というレベルでは、その時間は、エンターテイメントでしかあり得ない。しかし、その時間にあなたが「感じ」、習得したことは、確実に身体と脳に残り、その日以降に効果をもたらす。そんな90分であるべきだし、その為に、担当者(トレーナー)が出来る努力は、どんな事でも惜しみたくない。 そんな思いで続けてきた、ストリートスマートクラス。現在、レベル1を担当しているが、今回の参加者は、かなりの強者揃い。そうでなくても、社会的にも意識が高い飼い主のご乗船が多いと、好評を得ている DOGSHIP。今回は、毎回のクラス後、参加者が自主的に参加仲間用のレポートを図解付きでデザイン・制作して下さっている。 レポートには、クラス時間内に、私が各々にアドバイスした内容をはじめ、毎回のプログラムの流れや、ポイントを確実に押さえたものが、見やすくまとめられているのだが、それが、なんと計6枚だったりする。本当に頭が下がる。 こちら側から伝えたいことだけを再考するのではなく、受け手にどこがどれほど伝わっているか?知ることは、私自身、重要なことだと再認識している。 こんな喜びを与えてくれる「ストスマー」な、みなさんにありがとうといいたい。この気持ちを、ストスマー達に還元できるよう、これからも QOT(Quority Of Training) 目指して頑張ります。ストスマー達に感謝。 (07.09.04.)