61. 遊園地

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子供の頃の「興奮」には常に動物が関わっていた。 季節事の催し物も一大イベントではあったが、宮崎で育った私にとって遊園地は、動物と切っても切れない思い出が沢山ある。 遊園地の近くの広場で毎年のごとく開催されていた隠微な雰囲気を醸し出すサーカスに、私も家族で訪れていたが、宮崎におけるその空間は思えば少し珍しかった。位置は日向灘のビーチ沿いにあり、なんと「フェニックス自然動物園」という動物園と併設していたのだ。だから、遊園地に遊びに行くときには、必ずそこには動物がいて、動物の香りがしていた。子供ながらに、「遊園地=動物園」だと錯覚していたかもしれない。 東京に来て、動物園には頻繁に足を運ぶ一方、遊園地には一度も行ったことがなかったのは、もしかしたら、そこに動物がいなかったからかもしれないと、今さらながらに気づく。 先日、以後初めて遊園地に足を運んだ。それには理由がある。その日は「遊園地に動物が介在する」日であったからだ。 「西武園ゆうえんち」は、この度、犬と一緒に遊園地に入園できる日を設定した。複数年目になる今回は、お客様の声に応えるべく「いぬでん」という犬と一緒に乗れる電車も運行させるという。これは参加しないわけにはいかない。そこには、飼い主と繋がった多くの犬たちが普通に介在していた。もしかしたら、子供の数よりも犬の数の方が多かったかもしれない。犬と一緒に楽しめるアトラクションも複数設定してあり、これまで観たことがない「絵」がそこにはあった。 観覧車に乗せてもらった。これも犬同伴可であったが、そこからの眺望を眺めながら、考えていた。首都圏の遊園地は、比較的郊外に位置している。広大な敷地内に沢山のアトラクションが配置されているが、高い位置から見ると案外デッドスペースが多いことに気づく。日常を離れ、わざわざ来園下さったお客様が、遊具だけではなく、遊園地敷地内をさらに犬と楽しめる企画、アイデアはないだろうか? 協業の声をいただき、この春に向け、企画内容を考えている。できれば、楽しむ企画だけに留まらず、「ペットのバリアフリー化に向けての活動の一環」として、社会的役割を考慮した内容の想像に努めたい。ポイントは「遊園地と犬(そして飼い主)」そこに何を学び、どこに活かすか? 目指すは、「心豊かな犬との暮らしの想像と実現」だ。 西武グループさんのこの前向きな挑戦を応援すると共に、自分に出来ることは何か?考えていると、身体がぽっぽぽっぽ温まってくる。 cf1 > いぬでん cf2 > としまえん (2011.1.6)