【ラジアルタイヤ】
加工工程で放射線をあてる事で、強度が高まり、成型加工容易になる。
【食料品】
放射線を照射することによって、ジャガイモなどの発芽を予防する。
【エックス線荷物検査装置】
空港での手荷物の内部検査に利用されている。
【煙探知器】
発せられるα線の電離作用によって、火災による煙を感知する。
【蛍光灯のグロー放電管】
発せられるβ線の電離作用によって放電が素早く起こり、蛍光灯が点灯しやすくさせる。
【表示用放電管】
レジの金額表示、カメラのストロボ充電表示に用いられる。
【医療分野】
ガンの治療、甲状腺治療、CT、エックス線撮影に用いられる。
そして、私達は、森林浴、温泉、食事、飛行機での移動等、それぞれ「宇宙から」「大気から」「大地から」「食物から」日々の暮らしの中でも、実は日常的に被曝(*1)している。しかし、時間軸で考えると、身体に影響が出る放射線量ではない。宇宙空間に長期滞在する宇宙飛行士でさえ、帰還後の被曝については現在問題視されていないのだ。
蓄積という観点でもう少し考えてみたい。
ご存じの通り九州は温泉の宝庫。飲用を勧めているところもあり、私も子供ながら、よろこんで飲んだものだった。氏によると、あれも自主被曝。ただ、体に影響を及ぼす危険値に達するには、相当量の温泉水を飲用する必要があり、放射線量の蓄積という観点から見るとと、結果被曝する量よりも水分摂取過多の方が問題になるだろうという事だった。さらに、ラドン温泉で有名な街では、ガン死亡率が全国平均よりも明らかに低いというデータもある。
そこで、やはり気になるのが犬への影響だ。感受性が高いとされる子供や動物への影響は、科学的には1.5倍程度で換算される程度であり、数値的に差異はないとされる。愛犬にミネラル水をあげるようとし、それが硬水だとしたら、尿結石になる確率を上げることが懸念される為、ヒトと同じように判断しないよう注意しなければならないが、水の飲用による内部被曝の可能性については、過剰に心配する必要はない。
外部被曝についても、散歩後のコーミングや、定期的なシャンプーをすることで(ヨウ素は水溶性)、放射線物質を取り除けるので、お散歩もこれまで通り楽しんでいただきたい。
最後に大変興味深いお話を伺えたので、ここに紹介したい。
放射線ホルミシス「適度な放射線は身体にいい」
「放射線は微量であれば逆に有益である。低線量域での照射は、生物の成長・発育の促進、繁殖力の増進及び寿命の延長などの効果をもたらす事がある。」
提唱者:ミズーリ大学 Thomas. D. Luckey
それは、60 兆個と言われるヒトの身体の細胞の入れ替わりに適度な刺激となるからなのか?放射線ホルミシスについては、未だ研究段階ではあるが、「放射線=悪い物質」というイメージは払拭して良さそうだ。 現在、年間に3万人といわれる自殺者や交通事故の数を考えると、考え事をして事故にあったり、放射能を気にしすぎて鬱状態にならないように心掛けたい。 「正しい知識を身につける」もしくは「知る努力を怠らない」ことで、水の買いだめをする必要もないし、風評に振り回されることもない。愛犬のためにも、私達飼い主こそが社会情勢を冷静に判断し、行動に移していきたいものである。 *1:「被曝 -exposure」とは、放射線等にさらされることを意味し、「被爆 -to be bombed」は核兵器による爆撃を受けることを意味する。 (2011.4.13)