51. ユニット

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業界初だという。 犬の業界で、トレーナーという立場でスポンサーがついて、全国を行脚する。こんな事を、実現できるなんて・・・ 実は、思っていた。 私が犬の仕事に就き始めた頃、「犬のしつけ=贅沢」「犬のしつけ=調教・訓練」と認知されていた。だから、私の仕事の内容もうまく人に伝わらず「調教師さん?」とか「ブリーダーさん」なんて呼ばれることも多々あった。 その後、ある犬のグッズや生態を扱う某ペットショップの「しつけインストラクター」を担当する機会を頂いた事があった。ペットショップとして、物販だけではなくソフトの提供そのものを付加価値にしたいという思いに共感し、しつけ部門のプロデュースをすることになった。 企画を進めていく上で、なかなかしっくりこない部分が多々あったため、ある日、私は、代表に相談した。その時のやり取りを思い出す。 代表:君のモチベーションは一体なんなんだ? 私:ワクワクすることです! 代表:じゃぁ、君の5年後の夢は? 私:実家がある九州に、イベント等の仕事を通して、出張する(呼ばれる)ことです。 代表:おまえはバカか。 私:そうでしょうか。まだ九州では外飼いが一般的なので「犬のしつけ」なんて必要ないと思われていますが、ちかいうちに国内全体の犬に対する考えが変わり、「犬文化」を考える際に「飼い主のマナー」というのが必要され、私みたいな仕事に就いている人が出向く機会がきっとくると思うし、きてほしいと思っているんです。そのための活動に、これからも努めていきたいと思っています。 代表:君はもう少し、具体的な夢は持てないのか!?オレは、5年前に「ポルシェ」と「一軒家」を購入すると5年後の夢に描き、実現化させたぞ。 言わんとすることは、分からないこともないが、仕事に就く際の優先順位が違うと感じたのを覚えている。ボ私だって「ポルシェ」や「一軒家」には興味がある。だからといって、そのために動物の仕事に就きたいとは思わない。ただ、信じる道を開拓していき、その結果、そういった報酬が得られれば、それは嬉しいと思う。しかし、ベクトルの向きが全く違うのだ。彼を否定するつもりはない。ただ、私はそういう思いで、犬の仕事に就きたくないと思っていた。 あれから5年。ついに!というか、やっと!九州に仕事として、出向く機会がやってきた。こんなに嬉しいことはない。待ち望んでいたし、実現化するまでに、多くの人の思いと努力があったことを忘れてはならない。今回、全国7カ所(札幌・仙台・名古屋・大阪・広島・福岡・東京)を仲間とツアーしたのだが、(私の担当は、仙台・広島・福岡・東京)常に「感謝」という気持ちを胸に抱いていた。 「個」では出来ないことって、やっぱり「ある」。 今回、T4 というトレーナー4人でチームを作り、各地2名ずつ(T2 と呼ぶらしい)で担当してきたのだが、それぞれのチームに色があったという。つまり、自分自身の存在もパートナーの存在によって変わり、出せる物が違ったと言うことだろう。これは面白い。 T4 のメンバーは活動団体も活動形態も、学んできた経緯も全く異なる。一緒にいても犬の話をすることもほとんど無い。ただ、犬文化に対する思いは、同じ方向に進んでいると感じるのだ。大事なのは “How to” ではない。結果、どうしたいのか?その考え方、思いが大事なのだと信じる。 「犬のしつけ」について考えるとき、私は、同時に「飼い主のマナー」も同じくらい大事だと思っている。場合によっては、後者の方が重要か。また、考え方について「カナダ式」も「イギリス式」も関係ない。実際、家庭犬は飼い主が介在してこそ家庭犬なので、飼い主の考え、立ち振る舞いだけで、犬の見え方も違ってくる。それに、人には相性がある。だから、自分に合う、肌が合う、温度間が合う、そんな専門家と出会う場があってもいいのではないか?そういう想いで T4 というチームに参加している。 色んなチームがあっていいと思う。色んなイベント企画が生まれていいと思う。そして、みんなで、犬業界を盛り上げていきたいと思う。そうして、犬の飼い主の飼い主としての意識を向上を考え、のちに「犬を飼っていない人との共存」を本気で考えられるような社会を期待したい。ただ、その前に「犬を飼っている人同士の共存」が必要なように感じる。そのために、なにができるだろうか。ボクなりにそんな風に思案しながらの「Happy Dog Run Festa!」。 本当に楽しかった。 (07.12.01.)