コロナ渦と犬

コロナ禍で発見:足元に愛犬がいれば仕事も楽しい

 

I HAVE DISCOVERED ONE POSITIVE AMID THE PANDEMIC: I love working with two dogs at my feet.

コロナ禍で発見:足元に愛犬がいれば仕事も楽しい

 

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As someone who studies dog cognition, I often wonder: What is Charlie learning when he stops to sniff the crisp fall air? What is Cleo thinking when she stares at me while I write? Are my dogs happy?

I’m not alone in finding myself suddenly spending more time with my pups and contemplating what’s on their minds. More people in the U.S. are working from home now than are working in the workplace, and many now share home offices with their canine companions. What’s more, many are finding their lives enriched with the addition of a new pet, as people started adopting dogs at massive rate during the pandemic.

犬の研究者として、よく思う。例えば、我が家のCharlieは漂ってくる秋風を嗅ぐのをやめて何を感じているのか?Cleoは執筆中の私を見ながら何を思っているのか?私の犬達は幸せだろうか?

アメリカでは職場で働くより、在宅で勤務する人が増えて、愛犬と家で過ごす時間も多くなり、飼い主は犬達の気持ちをより深く考えるようになっている。更にコロナ禍で保護犬と暮らし始める人々が増え、毎日の暮らしがより良くなったと多くの人が感じている。

 

 

This uptick in dog time means I have been fielding questions from new and experienced dog owners alike about their companions’ mentalities. Many questions center on the same themes I ponder: What is my dog thinking? Am I doing everything I can to ensure my pup is content?

Fortunately, research on dog cognition can help unravel what is on their minds and provide insight into what they need for psychologically fulfilling and happy lives.

犬達と過ごす時間が増えるなか、愛犬と一緒に暮らしている長さに関わらず、多くの飼い主から、犬達の気持ちについて質問を受けるようになった。その多くは私の疑問と同じだ。犬達は何を考えているのだろう?パピーを十分満足させるために出来ることは何でもしてあげられているだろうか?

幸いにも私の研究(犬の比較認知学)が、犬達の思いを解き明かし、彼らの心の豊かさと幸せのために必要なものを教えてくれる。

※参照論文
https://www.jstage.jst.go.jp/article/janip/66/1/66_66.1.5/_pdf/-char/ja

 

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SMELLING SUPERSTARS  

鼻を使う天才

Dogs are both familiar and yet fascinatingly alien. To appreciate their “otherness,” all you need to do is consider their sensory world.

My dogs and I have very different experiences when we walk a trail. I marvel at the beautiful autumn day, but my dogs have their heads to the ground, seemingly ignoring the wonders around them.

However, they are appreciating something I can’t perceive: the scent of the fox who scampered through last night, the lingering odor of the dogs who’ve walked this way and the footsteps of my neighbor, who last wore her hiking shoes in woods my dogs have never visited. 

愛犬達は家族であると同時に魅力的なエイリアンでもある。彼らの感覚の世界さえ知ることができれば、エイリアンである部分の理解につながる。一緒に散歩に出かけると、犬達は全く違う世界を経験している。秋の美しさを満喫している私、一方で犬達は頭を地面に近づけ匂いに夢中で、美しい秋には無関心のようだ。

その一方で、昨晩走り抜けていったキツネの匂い、散歩しながら通っていったほかの犬達の匂い、愛犬達が行ったことがない森へ行った時と同じ靴を履いて歩いたご近所さんの足跡など、彼らは私には見えないものを感じている。

 

 

 

You’ve probably heard about dogs who sniff out cancer, weapons, or even coronavirus. These dogs are not special in their nose power: Your dog could do the same thing. In fact, the first dog to sniff out cancer sniffed a mole on his owner’s leg so frequently that she went to the dermatologist, where she was diagnosed with melanoma.

A dog’s sense of smell is estimated to be 10,000 to 100,000 times better than that of a human. This is due, in large part, to staggering differences in odor processing in humans and dogs.

癌、武器、そしてコロナウィルス探知犬達は特別に優れた嗅覚を持ち合わせているわけではなく、犬達はみんな同じ能力をもっている。あなたの愛犬だって同じことができるのだ。実際に最初のがん探知犬は、頻繁に飼い主のほくろの匂いを嗅ぐため、飼い主が皮膚科を受診し、メラノーマ(黒色腫)と診断されたのだ。

犬達の嗅覚は人間の1万~10万倍優れており、その大きな要因は、匂い処理の驚くべき違いである。

 

 

While we have about 6 million olfactory receptors, dogs have a staggering 300 million. Their epithelium, or nasal tissue, is about 30 times larger than ours.

And while people have between 12 million and 40 million olfactory neurons – specialized cells involved in transmitting odor information to the brain – dogs, depending on the breed, can have 220 million to 2 billion!

How can you even conceptualize this breathtaking difference in abilities? This disparity is like detecting one teaspoon of sugar in enough water to fill two Olympic sized swimming pools.

Now that your mind has been blown about your dog’s incredible sense of smell, you can use this information to make your dog happier by taking it on the occasional “sniffy walk” – letting it lead the way and take as much time to smell as it would like. Such walks can make dogs happier by allowing them to gain lots of information about the world around them.

人の嗅覚受容器数約600万に対し、犬達は3億、上皮および鼻腔組織は人の30倍も多い。匂いの情報を脳に伝達するための神経細胞は、人の1200万~4000万に比べ、犬種によりバラつきはあるが、犬達は2億2000万~20億個もの細胞を持つ。

犬達のすごい能力を分かり易くイメージすると、それは大きいプール2つ分相当の水の中からティースプーン1杯分の砂糖を見つけ出すようなものなのだ。

愛犬のすばらしい嗅覚について十分理解頂けたら、たまには好きなだけ匂いを嗅がせてあげる散歩で、彼らの好奇心を満たし幸せを感じてもらおう。

 

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THE LOVE IS MUTUAL 

愛犬とは両想い

While there are parts of a dog’s mind that are alien, there are also parts that feel very familiar. Chances are, your dog occupies a special place in your heart. Recent research suggests your dog feels the same way about you. Your dog adores you.

Dogs attach to their owners in much the same way human infants attach to their parents. Like babies, dogs show distress when left with a stranger and rush to reunite upon their person’s return.

A recent study found that dogs that have been deprived of food and owners choose to greet their owners before eating. Further, their brain’s reward centers “light up” upon smelling their owners. And, when your eyes meet your dog’s, both your brains release oxytocin, also known as the “cuddle hormone.”

犬達の気持ちにも分かり易い部分と分かり難い部分があるが、最近の研究結果で飼い主と同じ気持ちでいることが分かった、犬達も飼い主を愛しているのだ。

幼い子供が親から離れないように、犬達も飼い主から離れない。他人と一緒に置いていかれると、赤ちゃんと同じように不安を感じ、飼い主が戻ってくると急いで走っていく。

飼い主から離されフードももらっていなかった犬達は、食べ物よりも飼い主のもとへ急ぐことを選び、更には飼い主の匂いを感じた瞬間に、脳内の報酬系(欲求が満たされたときに活性化し、気持ちよさ幸福感などを引き起こす脳内のシステム)が活性化されるという。そして目と目があうと、お互いの脳内にオキシトシンと呼ばれる幸せホルモンが分泌される。

 

 

All of this research shows that you can make your dog happier with just one ingredient: you. Make more eye contact to release that cuddle hormone. Touch it more – dogs like pats better than treats! Go ahead and “baby talk” to your dog – it draws the dog’s attention to you more and may strengthen your bond.

Understanding your dog’s mind can not only sate your curiosity about your companion but can also help you ensure your pup lives a good, happy life. The more you know about your furry friends the more you can do to meet their needs.

And now I am off to gaze into Cleo’s bright blue eyes, give Charlie a belly rub, and then let them take me on a “sniffy” walk.

これらの研究結果から分かること、それは愛犬をもっと幸せに出来る唯一の存在は、飼い主!もっとアイコンタクトして、幸せホルモンで満たされよう。もっと触ってあげよう、犬達はオヤツよりなでられるほうが好き。もっともっと話しかけて、愛犬との絆を強くしよう。愛犬の気持ちを理解することで、犬達が毎日幸せであることに自信がもつことができる。犬達を知れば知るほど、必要としているものを与えてあげることができる。

では、Cleoの目を見つめながら、Charlieのお腹をなでるのをやめて、くんくん散歩に出かけよう。

 

訳:Rinrin

 

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パートナードッグの気持ちを知りたい。

犬と暮らしている方であれば、必ず一度はそう感じるものです。いや、毎日、毎秒そう願っているかもしれません。しかし、地球上には科学的に犬と話せると証明されている偉人はいません。私達、専門家は、知識と経験上「犬はこういう気持ちである」という判断の中に「であるに違いない」という気持ちの「謙虚さ」が必要だと思っています。そして、誰も知り得ない世界のことを地球上の専門家が日々、研究をし、模索しているのが現状です。そう思うと、鼓動が止まらないのです。

犬にも「嫉妬」という気持ちがある、ということが科学的に証明されたのが10年ほど前。犬と目が合うことでお互いに「幸せホルモン(オキシトシン)」が分泌されると科学的に証明されたのが7年ほど前。犬と暮らしていたら「当然」だと思うことでも、汎化するのは難しいものです。ただ今回のように、犬が持ち合わせている能力や才能を具体的に知り得ることで、彼らの考え方や見え方、捉え方を想像することができると、今以上にパートナードッグの気持ちに少し寄り添えるような気がします。

犬は「匂いの夢」をみるといいます。それほど嗅覚情報を頼り、重要視しているということを示しています。私達人間は、視覚情報に多くを頼り、信頼しています。だからこそ、犬の行動を理解する際、犬の気持ちと差異が生まれることが多々生じるのです。

 

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犬の嗅覚の世界を知る。そのために、まずは愛犬に手のひらを差し出してみてください。多くの子は近づいてきて、手のひらの匂いを嗅ぎ始めるでしょう。手のひらを目視して理解するのではなく、接近して嗅覚情報で認知する証です。このように、視覚情報で判っている「つもり」でも、犬は理解していないことがあるのです。そのような犬の嗅覚の世界を想像し理解するために有益なのがセント・トレーニングと言われるアクティビティです。アメリカでは「ノーズワーク」と表現されることもありますが、セント・トレーニングもノーズワークのひとつで、災害救助犬や人命救助件、がん探知犬等のトレーニングの基礎となり、家庭犬でも気軽に楽しめるトレーニングです。走る等のフィジカルな運動とは異なり、匂いを嗅ぎ分けながら情報処理もしていくので、メンタルトレーニングとも表現できます。DOGSHIP では、愛犬の気持ちを知る提案の一つとして、セント・トレーニングにも力をいれています。

また、本年度からオンライン・セミナーもスタートさせています。今、全国各地でセント・トレーニングが熱いのです!
興味がある方は、いつでもお問い合わせください。

Facebookグループ:STCJ セント・トレーニングクラブジャパン

 

Captain

コメント

  1. 紙ヒコーキ より:

    視覚情報に勝る嗅覚のパワーが彼の日常を輝かせています。
    マスク越しに香る季節の移ろいを愛おしく感じます♩
    参照文献もとても興味深く、犬を知る時間となりました。
    ありがとうございます。

  2. marimo より:

    こんにちは。
    我が子の姿にキュンキュンしてしまいました。
    そうだ。昨年の今頃は…と思い出す機会をくださって
    ありがとうございます。
    さんたろうの気持ち読めたらいいのになって
    最近ますます感じます。

  3. Captain より:

    To 紙ヒコーキさん
    犬との暮らしを五感で感じる。
    そして、犬たちと一緒に季節を楽しむ。
    パートナーとのそんな毎日を過ごせたら、お互いに幸せだなぁと思います。

  4. Captain より:

    To MARIMO-san
    見つけちゃいましたねー!
    そう、あまりに二人とも自然でいい表情だったので。
    「キュンキュン」は、内からあふれる無限のエネルギー❣
    これからも、日々感じて大事にしていきましょう。

  5. R.K より:

    神様が全ての犬たちに与えられた匂いの世界、私たちも連れていってもらえるなんてドキドキしますね!
    私は愛犬から受け取ってばかり。彼のためにしてあげられることは何か考える毎日です。両想いになりたい。

  6. Captain より:

    To R.K. -san
    そうですね。
    彼らの世界を想像する、そう思うだけでドキドキします。
    そして、いつも彼らは Give give なので、私達にできることを考えたい、そう思えたら今日もハッピー!!

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