ニューヨークに「駐犬場」が出現!
犬小屋には慣れたようで、自分からすすんで入っていくチェルシーさんの愛犬、ウィンスター。安全で快適なお留守番ができる犬小屋
犬の散歩中に、ふとトイレットペーパーが切れていることに気づいた。スーパーマーケットに、もちろん犬は入店できない。入り口付近のカート置き場にリードをくくりつけ、不安そうな表情の愛犬を置いて、店内へ。
どれを買おうか迷っているうちに、一瞬犬のことを忘れ、遠くでギャンギャンほえる声で、はっと我に返る。会計をすませ、小走りでレジを駆け抜け、やっとのことで外に出ると、空に向かってほえる犬が同情する人たちに見守られていた。「かわいそうなワンちゃん! こんなに鳴くまで放ったらかしにするなんて、なんてひどい飼い主なのかしら」と思われている気がして、その場に行くのもなんだか気が引ける。
これは私の最近の経験だが、似たような状況になったことがある人は少なくないはず。そこで、つないだ犬がどこかへ走り出さないか心配したり、外に置いたままにして罪悪感を覚える人たちにとって強い味方が登場した。道に設置された犬小屋にワンちゃんを駐「犬」できる「ドッグ・パーカー」だ。
昨年10月からブルックリンで試験的に開始したサービスで、今月中に大型スーパーの前、計10カ所に設置される。犬が生後4カ月以上で、義務づけられている予防接種をすべて受けていれば、年会費25ドルで誰でも会員になれる。インターネットで登録後、郵送されてくる会員カードを犬小屋のカードリーダーに当てると、ドアが開くシステム。他の人のカードリーダーではドアが開かないようになっている。
1分20セント(12ドル/時間)で、使った分だけカードにチャージされる。利用できるのは、1回につき最長3時間。犬小屋の中は温度調節がされ、ウェブカメラも設置。スタッフがウェブカメラを通して常に中の様子を監視している。
設立者のチェルシー・ブラウンリッジさんはノースカロライナ州のシャーロット出身。子供の頃からずっと犬を飼っていた。自然に囲まれ、家にはたいてい広い庭があるシャーロットとは違い、ニューヨークでは街中で犬を散歩させるしかない。
「スーパー、コーヒーショップ、コインランドリー、ネイルサロンなど、犬をどこにでも連れて行けるわけではありません。短時間だと思って外につないでおいても、いつほどけて走り出すか心配だし、最近市内で犬の誘拐事件が増えていたりして不安ですよね。家に留守番させても、心配でなかなか仕事に集中できません」。
そんな自身の経験を元に、パートナーのトッド・シェクターさんとともにこのサービスを始めた。今では会員が50人になり、今年の6月までに100カ所の犬小屋設置が目標だという。ジャーマンシェパードや、ゴールデンリトリーバーなどの大型犬用も設置する。
犬小屋が多く設置されているプロスペクト・ハイツには、プロスペクト・パークという大きな公園があり、愛犬家が多く住むことでも知られるエリアだ。「愛犬が安全だと、飼い主も犬もハッピーです。ニューヨーク市には60万匹の犬がいると言われ、みな子どものように大切な存在。将来は世界的にドッグフレンドリーな街になると思います。ドッグ・パーカーもこのムーブメントに一役買ってくれれば」と、チェルシーさんは語る。
そこで私も前出の愛犬モモ(オス/1歳/ピットブル/性格:時として言うことをきかない傾向あり)を駐犬してみることに。ドアを開けると、犬小屋のサイズが小さかったのか、奥がよく見えないのがこわかったのか、中に入るのを躊躇している様子。大好きなボールのおもちゃを使い誘導して、一歩一歩近づけたが、残念ながら入ってはくれなかった。それでもこうして安全に犬を置いておけるスペースがあることは、やはり愛犬家にはうれしい。
昨年10月、ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事が、犬を連れて外食できるという法案にサインした。ニューヨークのレストランでは、屋外席であれば犬と一緒に入れるようになった。犬とともに過ごす幸せな時間が、これからもっと増えていきそうだ。
情報元
Dog Parker
http://www.dogparker.com/
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実際に、中はどんなふうになっているのでしょう?
真っ暗なのかな?
この中で待てる子は、それはそれでとってもエライと思うのであります。
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