「命の授業」レポート

動物介在教育としての「命の授業」

 

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平成29年度 道徳教育の抜本的改善・充実に係る支援事業として、これまで公立の小学校で担当してまいりました「命の授業」の「効果検証」を行うべく、この春から東京学芸大学附属小学校にて、大学の教授・准教授、そして担任の先生方と単元に基づいた学習指導計画と授業展開について協議を行ってきました。

 

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特に興味深いのは「生活科」「理科」「道徳科」それぞれの視点で「介在動物」が関わる意義について検証を行っていく点です。

 

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動物について3つの「教育的観点」から伝えられることによって、「犬はかわいいよね」「犬って癒される」といった抽象的な表現ではなく、「命の尊厳」「命の連続性」について子どもたちが自発的に感受し、考察できるようになると考えています。

 

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今回は、「理科」の授業でした。

これまでは、「人とメダカ」の比較によって「人の誕生」について考えてきましたが、今回犬の誕生と生態の相似、差異をしることにより、さらに理解を深めるというのが介在動物教育の要になります。

 

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これまで意見交換を交わしてきた中で作り上げられてきた「学習指導計画」が、見事に授業として展開されるその様は、まさに芸術ともいえるものでした。

子どもたちから引き出される言葉一つ一つが、授業を作り上げ、黒板を埋め尽くしていきます。

そしてそれは全て担任の先生の頭の中で創造されていたもの。

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現在、インターネットをはじめ様々な情報が存在し、子どもたちは調べることができます。

私が担当する展開では、実際に動物に触れ合い、観察し、専門家から直接話を聞くことで、より理解を深めるのが目的でした。

ただそれが「触れ合い」に終わらず、自分をはじめ「人間の命」の大事さを改めて実感できるように配慮した授業内容となりました。

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子どもたちの感受性の高さ、理解度の深さを感じ、「教える」「伝える」ことの責任と難しさ、そして可能性をあらためて再考する機会となりました。

 

こちらに、子どもたちの感想を一部ご紹介します。

 

感想①

私はいつも怒られてばかりで、「自分は愛されていないのか?」と不安になりましたが、さっきの動画を見て、「お母さんは命をかけて私をうんだんだな」と感じられるようになりました。子イヌは、お母さんのお乳をもらいにいくためにがんばって歩いていくんだなと思いました。“生きよう”という意志をもっているのはどの動物でもいっしょなんだなと考えました。」
 
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感想②

「動物の誕生は素晴らしいことだと思った。うまれたとき、メダカもヒトもイヌも必死で生きようとするし、ヒトやイヌは母親も痛みにたえた死にたいと言っている人もふえてきていて、そのような人には生命についてもう一度考えなおして、生まれたことのありがたさを考えてもらいたいと思った。本当にいい授業でした。」
 
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感想③
「動物やヒトの誕生を見て、私は同じだと思った。なぜかというとイヌやヒトは生まれてすぐに母親から栄養をもらう。メダカも母親からではないが、卵から出て、おなかのふくろから栄養をもらうからだ。生き物には共通点があるが、それと同時にちがう点もある。主にちがうのは生まれるまでの日数や生まれたすがた。しかし、その中でもどんなにすがたがちがっても、生きようという強い意志は同じだと思った。」

 

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次は、11月の生活科です。

どんな展開と学びの機会となるか?

常日頃の犬たちからの「教え」を、どのように子どもたちに伝えられるのか?

私自身も楽しみとプレッシャーでいっぱいです。

 

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