「しつけ」ってなに?
ご存知の方も多いと思いますが、先日、福岡県のサロンでシャンプー中の犬が亡くなるという悲しいニュースがありました。
・犬種:ジャーマンシェパード
・性別:♂
・月齢:10カ月
・体重:40kg 強
これらの情報を見ると、大型犬とはいえ、まだ子供。
まだまだ「シャンプーは気持ちいいんだよ」と教えてあげたい年齢です。
現場に居合わせた訳ではないので、詳しくは言えませんが
私が気になったのは
「シャンプー中に暴れたので『しつけ』をした。」
という文言でした。
改めて「しつけ」という言葉について考えたいと思います。
みなさんは、子供から「しつけってなーに?」と聞かれたらなんと答えますか?
そもそもしつけとは誰のためなのでしょう?
「しつけ」を漢字で書くと!?
「躾」と書きますね。
「身を美しくする」と書いて「しつけ」。
ここに私は違和感を感じます。
犬はそのままで美しい。
寝ていても、食べていても、寝癖がついていても、排泄していても美しい。
そのままで、あるがままで美しいのが犬、だと思っています。
にも関わらず、なぜ私たちは、犬に「しつけ」をするという表現をするのでしょう?
異種である犬と人が、同じ空間と時間を共にする。
これは、脳の作りが違うと言われる男性と女性が共生するとき同様
お互いを理解しあったり、相手を受け入れる姿勢が大事になります。
そして、人間社会で共に暮らすためには、犬たちを守ってあげるためにも
約束事やルールが必要になってきます。
お互いが日々笑って暮らせるように、毎日に幸せを感じられるように
お互いのためにコミュニケーションを図っていくことこそが
家庭犬の「しつけ」と言われるものだと私は考えています。
今回のシェパードは、まだ10カ月ということですから
シャンプーは月に2回行ったとして、生涯多くて10回未満でしょう。
犬にシャンプーの必要性は理解できないので
今はまだ「受け入れられないことを矯正する」のではなく
「受け入れる(協力する)ことの楽しさ」を教えてあげる時期です。
身体は大きくても、中身はまだ子供。
そこを力で制する一方的なやり方は「トレーニング」ではなく
感情に任せた行動と言わざるを得ません。
自分が子供の頃を思い出すと、学校の先生に竹刀で叩かれたり
ゲンコツをもらったりすることもありました。
しかし、そこには「愛」がありました。
先生は決して「感情的」にならず、常に「冷静」だったと思います。
私も子供ながらに、「怒られている」のではなく、「叱られている」という認識が持てていました。
そこには、「叱られる」理由があり、どうであるべきか?というビジョンと指導も含まれていました。
それは、今の自分自身の犬とのコミュニケーションにも生かされています。
先日、私たちが昨今携わっている「動物介在教育」の勉強会を
教育のプロフェッショナルと共に、オンラインで行いました。
その中で、改めて感じたことは「教育」とは指導する側が受け手に
「教える」だけではなく、学ぶ側の心を「育てる」ことが重要であると。
犬にも、私たち同様感情があり、心があります。
社会的に立場が弱い彼らを守ってあげるためにも、共に日々を謳歌していくためにも
犬を体系的にしつけるのではなく、犬の内面も汲んだ付き合い方に注力することが大事です。
そのときに私たちに求められるのは・・・
異種である犬たちの「生態」や「行動」、「心理」に自然に興味を持つことだと思います。
それは、好きになった人のことを、「自分の思い通りにしたい」と思うのではなく
「相手の好みを知りたい」「相手に寄り添いたい」と自然に思うのと相似です。
コロナ禍の中、これからも私たちは不安な気持ちを抱く日々が続くと思います。
そんな中、犬たちはいつもと同じように接してくれ、私たちにホッコリする「何か?」を与えてくれます。
私たちは、犬たちに何を与えられているでしょう?
それは、ご飯や散歩等を指しているのではありません。
そんな「何か?」のキャッチボールを楽しめるように、心に余裕がある毎日を送りたいものです。
コメント
わんトライ!から「何か?」を発見しました。
嬉しい変化と学びの時間をありがとうございます。
Harborでチャレンジ出来ますように♪
コメントありがとうございます!
わんトライ!
緊急事態宣言真っ只中のあの企画!
楽しかったですね。
(制作する方は、慣れない作業にアタフタでしたが)
また Crew と企画について話し合ってみますね。