Dogship web site 「犬をしつける」ドッグトレーニングから、 「犬から学ぶ」ヒューマン・ドッグトレーニングへ。
2008年
08月20日

56. 私の夢

「ドッグトレーナー」と呼ばれる。10年前は「トリマー」「調教師さん?」など「?」付きで間違って呼ばれたものだった。ここで最近ネット上で使われている言葉を整理してみたい。

犬の体の仕組みや習性、行動など、犬についての専門知識をもとに問題行動を矯正し、犬をしつけるのがドッグトレーナー。

犬の健康管理やしつけ方など飼い主がどう対応すべきか最善な方法を体系立てて指導し、犬との生活にまつわるさまざまな問題について相談にのってくれるのがしつけインストラクター。

だそうだ。(all about Profile 参照)

様々な方法、考え方のトレーニングがあるから区別する言葉が必要だと思うのだが、私はどちらか片方だけでは実際に飼い主と犬を、より少ないストレスで、効率のよいサポートをすることは出来ないと考えている。

専門家なのだから犬を観れる事は当然で(操るという表現は敢えて避けたい)、「飼い犬に困っている」飼い主の方に愛犬とのコミュニケーションのよりよい取り方を、いかに感じやすく、分かりやすく説明し、結果、理解・習得してもらえるか?この「伝達」まで出来てはじめて「仕事」であると思う。

ショーのようなエンターテイメントでもない、知識の教授だけでもない。明日からの飼い主と愛犬との暮らしを、いかにワクワクしたものにする事が出来るか?そのために犬に教えるべきこと少々、飼い主に習得していただくことが殆どである。第一「困った、困った」と言っているのは大抵我々人間の方なのだから、飼い主が理解と行動を変えなければ何も変わらない。

犬が可愛いことは知っている。動物が人を癒す事も周知の事実だ。ただ、将来の犬文化を考えたときに「犬を好きでない人」との共存は必須項目であり、彼等に犬の何を、どの様に伝えていったらいいのか?をずっと考えてきた。本当に犬が嫌いな人はトラウマがある場合が多い。そして、最近嫌いになった人は、犬と言うよりもマナーの悪い飼い主に嫌悪感を覚えている。

吠えさせ続けている(止めようとしない、止められない)飼い主

排泄物を拾わない飼い主

どこでも排尿をさせる飼い主

犬を擬人化している飼い主

等。

私がこれから挑戦しなきゃイケナイのはココだと思ってきた。だから、犬のイベントじゃないところでも動物の話をする。犬の専門誌じゃない雑誌の取材も受ける。犬に興味がない人に、何かを伝える。それは難しい。そしてなかなか伝わらない。でもそこに臨む価値はある。

さらに、数年内にやりたいと思っていたことがある。それが「企業研修」だった。

研修・セミナーといっても色々ある。

著名人を呼んでのセミナー。著名と言うことで人は集まるし、話題を誘う。

経験者のセミナー。同じ分野での経験を通して、傍聴者が自らを模索する。

学者さんのセミナー。各分野の専門家を呼んで研究内容を聞く。

私のイメージする研修・セミナーはどこにも当てはまらないし、私は一生現場の人でありたいと思っている。それなのに企業にどれほど貢献できるというのか?

先日お台場で行われた「お台場学園」のイベントで10日間連続でステージ・トークショーを担当させてもらった。トータルで全30ステージ。それぞれ現場によってお客さんや環境が異なるため、その時々に合わせてアドリブで内容をアレンジする。その時の雰囲気に流されないように、ベースとなる話題を自分達の中で確認しておくことも大事だ。そう努めた日々を通して、スポンサーの方からこんな相談を受けた。

「こんな事を相談していいのか?分からないのですが、10日間のステージや話の内容を通して、その根底にある Captain の想いは、弊社にとって今必要なもののような気がするのです。もし、可能でしたら一度弊社で何かお話しをしていただくことは出来ないでしょうか?」と。

驚いた。

3年後に見据えていた夢が目の前にやってきた!私は舞い上がりそうな気持ちで即答した。「想定内です」と。

企業の問題点について伺うと、外資系の企業ならではのお悩みが多かった。特に個が自信に溢れ、他の社員との交流に難あり。それは優秀な社員だからこその悩みといえるだろう。

今回のテーマは「コミュニケーション」。動物同士、動物と人間のコミュニケーションを通して、個のコミュニケーション、そして組織の中でのコミュニケーションについて「気づき」を持たせる企業研修に試みることになった。

最初の相談を受け75日後。私の夢だった企業研修初日を迎えることができた。「ドッグトレーナーと企業研修」このミスマッチとも思える繋がりを納得!にかえるべくシビアな担当者との入念な打ち合わせを4回、そして毎日のようなデータ・内容のメールでのやり取りがあった。この手厳しさこそ、違うフィールドで表現する際に必要な部分を気づかせてくれるものとなった。本当にありがたい。研修初日は、かなりのアウェイの雰囲気に押しつぶされてしまったが、次回以降へのしっかりとした課題と自信を得ることが出来た。

どんなに大きな組織でも、たとえ飲食業であったとしても、ルールやハードでは人間をコントロールすることは出来ない。そこにある温度をもったもの、つまりはそこにいる動物である人がいかに、どうあるべきか?ボクがドッグトレーナーとして犬だけ観てきたとしても伝えられない、私がしつけインストラクターとしてアドバイスに努めてきただけでは納得し得ないものを動物関係者以外に伝えるべく、今9月の第2回目の企業研修に向けて準備をしている。

こんなにワクワク・ドキドキするのは久しぶりだ。課題が大きいほど燃える。誰もやっていない分野だから戻ってくる評価もすべて自分のもの。いいもわるいもすべて自分に還ってくる。

そして・・・

犬をはじめ、動物にそれほど興味がない人に、動物の魅力や可能性を伝えることが出来たとしたら、ボクの今の現場での表現力、説得力は確実に増し、飼い主の方への安心感と信頼感に繋がると思っている。そのためにも、私は挑戦を続けたい。

3年後には、「動物をテーマとした企業研修」が認知されるように。

最後に・・・

今回の研修に携わって下さった関係者の皆さんに心から感謝いたします。もっとお返しが出来るよう研修の中身で頑張ります。

(08.08.20.)

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