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2007年
07月12日

46. Ph.D.

Ph.D.

久々に「おめでとう!」と言われた。

ご報告

日時:2007年6月8日
場所: 東京都港区 アメリカ海軍施設内
Ph.D. Animal psycho-physiology :動物行動心理学 Ph.D.

2005年11月 FIDO と待望の帰国後すぐに、心友の紹介で出会った Dr. ビバレッジ、通称ボビー。彼との出逢いで、私の前に、新たな目標が立ちはだかった。

以前コラムに記載したように、彼のトレーニングメソッドには、非常に共感できる部分が多かった。とくに「そこにマニュアルはない」という点。まさに、それこそ、ベースとなるマニュアルであり、個々をいかに観察し、個を活かすか?を追求する事を意味する。

そうして、自分の体との対話を楽しんでいるうちに、ヒトという生き物の可能性と、未知数について、あらゆる視野から観ることになった。彼は、15個の学位を持つ。生理学・肉体学・心理学・精神学・心臓学・宗教学・催眠療法学・教育学・医学・神学、、、等、そして何故か MBA も持っている。だから、1つの話題についても、あらゆる視点からの興味深い考えが出てくる。

2005年の New York と Vancouver での苦難の日々を通し、犬とのコミュニケーションの可能性について、これまで以上の発想が必要な気がしていた僕は、それが何か考え始めていた。それは、問題犬という表現をされる犬たちと、ヒトとの関係の客観視の具体性を示していた。

様々な犬と、飼い主と出会い、時間を過ごし、共に悩んできた9年間。数え切れない症例の数々は「動物行動学」からの視点だけで解決したとは言い難い。様々な文献や情報、経験、そして最も信頼をおける「自分の感覚」をもとに、その犬に最善であろう方法を選び提案する。しかし、毎回しっくりくるとは限らない。もちろん、それを犬だけに伝えるのではなく、家族である飼い主に伝える必要があるのだから、容易ではない。それが、生身のトレーナーという存在の価値であり、本や DVD にはできない事でもある。しかし、「犬という動物は、本来、こういう生き物です」という学術書からの情報だけでは、解決できない要素があるように感じていた。

そのフィーリングは、誰しも、自分の犬とコミュニケーションをとる際に、度々感じることが出来る。例えば、自分がイライラしたり、急いでいるときに限って、犬が言うことを聞かなかったり、普段しないような事をしたり・・・犬が寝ているときに「かわいいね」って思って心で名前を呼んだとき、犬が急に目を覚まして近づいてきたり・・・「うちの犬は天才犬じゃない!?」なんて、多くの方が感じられることだと思う。

犬がイヌであることは確かだ。しかし、現代の犬は、自分一人(一頭)で生きていけるわけでもないし、生まれてこの方、ずっとヒトと共に暮らしてきた。そんな犬たちにとって、ヒトの存在が大きく起因していることは、簡単に想像できるだろう。そして、今や、ヒトの存在で、犬がいかに家庭犬でありうるか?が決まる時代なのではないか?

ある時、ボビーがこんな話をしてくれた。

「オレが NY にいたころ、路上におっきな犬がポールにつながれていた。真夏だったから、犬が『ハーハーッ』って言っていたから、オレは氷水をいれたボールをそいつにあげたんだ。その犬ったら、甘えた顔してオレの顔をペロペロ舐めたんだ。そうすると、奥から大声で走ってくる大きな男が近づいてきてこういった。『こら!おまえ!!その犬に手を出すな。そいつは、おれの妻でさえ食事を与えられないくらい凶暴なやつなんだ。おまえの命も補償しないぜ』って。オレは言ったね。この犬は、おまえさんよりも、よっぽと頭がいいぜ。オレがこいつのことを好きで、ただそれだけだって事を、話さなくても分かるんだからね」

犬は、我々に理解しがたい能力を保持している。それは、時にして「?」として映る。雑誌やテレビではそれを「犬の第六感」として紹介している。しかし、第六感とは何か?イリュージョンのようにとりまとめることは出来るが、ありのままの「犬を知る」という視点からは、大きくかけ離れているように感じる。

ボビーと様々な話をしているうちに、その「第六感」について一筋の光りがみえてきた。もしかして!?それから、仕事の合間をぬって、図書館に通い、多くの文献に目を通した。しかし、専門誌には「犬の才能」として記載されており、欲しいところは、みつからなかった。

そして、今、ようやく自分の『想うところ』がみえてきた。それは、ヒトとイヌ、それぞれの主観的見解と、その相互関係について。それを科学的視点でまとめる。これが、Doctor of Philosophy 略して Ph.D. 。今回のジャンルは動物の行動学と心理学を組み合わせた Animal psycho-physiology :動物行動心理学と表現できるだろう。

Ph.D. 一見、難しそうに聞こえるかも知れないが、実際は、シンプルだ。要は、その道のプロフェッショナルとして、自分の考えを持ち、まとめられているか?ということであり、誰でも取得することができる。ボビー曰く、「6歳の子供が、大の大人と同じくらい、ダイヤのカットが出来れば、その子はダイヤカットの Ph.D. 」だという。

私は現場が好きだ。現場では常に自分がクリエイター、もしくはアーティストでいられる。これまで様々な形で犬と犬の飼い主に触れ合ってきたが、どんな言葉よりも、実際に会って、観て、話をした方が、問題解決には近道だし、なによりも、そのライブ感が好きだ。さらに、現場では「出来た!」「うれしい!!」という飼い主の方の表情に触れることができ、共有することができる。その時の喜び・嬉しさ、これがの私の原動力。

評価の基準は、「結果」。その時、飼い主と犬にとって、よりストレス・レスな状態で、いかに「結果」を追求できるか?それが常々に自分に課せられた課題である。そのための、勉強と努力をずっと続けていきたい。効果と効率を高めていきたい。そんな思いの1つの表現であり、僕にとっては、今後の活動の為の通過点が、今回の Ph.D.取得。もう、次のステージは始まっている。

※各国における「Ph.D.」や「博士号」のタイトルに対する認識には相違があります

(07.07.12.)

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