Dogship web site 「犬をしつける」ドッグトレーニングから、 「犬から学ぶ」ヒューマン・ドッグトレーニングへ。
2005年
10月14日

26.しつけとは

生活環境から「しつけ」について考える。

これが、ベーシックな「しつけ」になる。日々の犬との暮らしで、他の方々に対してご迷惑がかからないように努めるのが、最低限のしつけ。また、周りには犬嫌いの方もいる事は必至なので、犬を飼う者としての「モラル」を身につけるためにも、トレーニングを受講するのは得策だ。

次に自分のライフスタイルから「しつけ」について考える。

これが、アドバンスの「しつけ」だといえるだろう。自分が犬と暮らしていて生じる、お互いの「疑問」や「イライラ感」を解消する、つまり「理解し合える」事への喜びと、今以上のリレーションシップの構築。そして、山や海に行きたい!そのための、車での移動、交通機関での移動、宿泊施設でのマナー等。今をもっと楽しむための「しつけ」に取り組む事によって、誰も味わうことが出来ない「喜びと幸せ」を得ることが出来る。

そこまでクリア出来ていたら、競技会で一位にならなくても、人命救助が出来なくても、その犬は立派な家庭犬であり、あとは健康で過ごせたら最高だ。特に飼い主に何かが起こらない限り、捨てられることもなく、素敵な一生を過ごせるに違いない。

Vancouver に在住するスタンダード・プードル二頭(KOBEY& MAYA)。彼らは同じブリーダーの所からやってきて、毎日山や渓谷でのお散歩を、思う存分満喫している。飼い主は毎朝五時半に起きて、お散歩をさせて出勤している。飼い主の今の悩みは?と聞くと、KOBEY が山に行くとリスのハンターと化してしまう事くらいだ。

Vancouver には、日本の猫並みにリスやアライグマが生活環境内にいる。特にリスの動きは想像以上に速く、犬と言えど、リスに追いつくことは出来ない。まして、木の上に登られては大型犬である KOBEY は下で見つめ続けるしかない。そして、そのお兄ちゃんを必至で追いかける MAYA。あまりにも興奮したチェイスの末、これまで何針縫ったことか。

日本でも、猫を追いかけるという行動を解決したいという方が多くいると思う。猫は、犬よりも運動神経が発達しているため、なかなか追いつくことが出来ない。また、やみくもに近づくと「シャーッ!」と、とがった爪でジャブをされ犬の方がケガを負う場合が多い。これを予防するためには、パピー時に、猫への社会性を持たせるといい。特に、野良猫は自分の「生死」が関わっているため、犬たちの「遊ぼうサイン」が理解出来ない。これに関しては、慣れさせるよりも、危険な対象物として飼い主が何かしらの指示を出せなければならない

KOBEY の行動はどうだろう?彼を見ていると、僕には彼が一度も遭遇したことがないリスと一度会ってお話しをしたいように思えた。そして、山の中でハンター化している自分自身に酔っているようにも見えた。なぜなら、通常の彼の表情と、ハンター化している彼の表情は明らかに異なり、凄くかっこよく、そして楽しそうなのだ。そんな時、日本の環境に順応出来るようトレーニングに努めている FIDO をみて、飼い主がボソッとこう言った。「この子達は、ずっと田舎もんでいいやっ」

KOBEY と MAYA は、大自然の中を走り回り、渓流に入って水浸しになってお散歩していても、呼ばれたら飼い主の元にきちんと戻ってくる事が出来る。Vancouver に住んでいて、他の人に迷惑をかけていないし、ましてや優雅に歩いている姿と、飼い主とのリレーションシップは、まわりの見る人に「癒し」を与えている。確かに、銀座、青山辺りに「リス」はいないけど、ここだったら、KOBEY と MAYA の「しつけ」は、今のままで十分”はなまる”だ。

一般的には「問題行動」として映ることも「飼い主の観点」と「生活環境」次第で、犬の振る舞いは「問題行動」に、なり得ない。これは、「しつけとは?」「しつけって必要なの?」という問いに対して、重要なポイントになる。 大型犬の日々のケアーは大変かもしれないけど、飼い主の休暇を思いっきり演出してくれるだけで、飼い主はハッピーになれ、明日への活力になるのだ。

こんな関係、素敵である。

しつけとは!?と、形を模索するよりも、自分自身と犬の個性を照らし合わせると、案外霧が晴れて、お互いに足りないところ(ミスコミュニケーション)はどんなところか?見えてくる。一度、見えてきたものについて整理して、目標を立ててみよう。その時、目標は決して欲張らずに、出来るところから。

それは本や雑誌には決して書かれていない、あなたと犬だけの航海日誌になるのだ。

(05.10.14)

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