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2005年
08月25日

17.物品

「戦前は三歳児未満の子は、法律上『物品』として扱われていた」

私は、以前日本ベビーシッター協会において、レクチャーを担当させていただいた。その際、3歳未満の赤ちゃん、または子供が「個」として自覚がないということから、戦前は法律上物品として扱われていた事実を知った。現に「三つ子の魂百まで」というように、三歳というのがひとつの区切りになっているのは間違いない。

現在、犬は日本ではもちろん、アメリカでも「物品」扱いである。

もし、犬同士、何らかのトラブルで怪我をした場合、法律上「物が壊れた」という表現になる。もし、飼い主以外の人が leash(リーシ)を持っていたときに、怪我を負うような事があったとしたら法的には「壊した」相手に対して損害賠償が発生する。その時に「その犬をいくらで購入したか?」が重要になる。「壊れた」事に対する賠償は、その物自体が、購入時どれほどの価値があったか?で決まるのだという。

つまり、ペットショップ、或いは、ブリーダーからいくらで購入したか?証明出来る必要があり、もし、その犬が里犬であったり、人から委託された犬で、金銭的に数字で証明出来ない場合、その犬の価値は「ゼロ」になり、壊れても(怪我をしても)法律上は責任を問われないのだ。

今回、FIDO が NY → Vancouver の空輸の際、彼がどの様に扱われるのか?非常に興味深くみていた。

多国間と異なり、アメリカ・カナダ間は全体的に相性が良く、移動に対して書類上は、日本農林水産省検疫担当者が気にされるほど難しいものではなかった。しかし、その扱い方には、驚きと疑問を感じた。FIDO が乗るフライトが朝の7時半だったため、朝5時前には空港に到着しておく必要があった。また、空輸の際、cage(ケージ)も必要だというので、前日に Manhattan で購入した。

1日で cage に慣れさせ、当日に挑む。空港のパーキングから30分位、たらい回しにされてたどり着いたその場所は、まさに廃墟といっても誰も疑わない空港の端の端にあった。そこから「犬」という生命が違う国に送られる場所とは、到底思えない雰囲気だった。

受付にはいると「早く犬を置いていって」と言わんばかりの対応に絶句。直ぐに書類にサインをさせられ、物品の重さ(FIDO と cage の総量)を量る。そして、そそくさとカーゴの方へ持って行く。あまりの無機質さと荒さに言葉をなくした。結局、総量は20キロ、1キロあたり US$5.64(約600円/キロ)で送ることが出来た。

また、Vancouver での受領時、数百ドルの税金を支払う事になる。(詳細の金額は、「物品」のブリーダーからの購入価格等から割り出されるので、ここでは、伏せておきます。)また、FIDO は、器から水を飲む習慣があったため、よく見かける cage に装着出来るような「水飲み機」のようなもので飲めない。機上ではトイレにも行けないため、短時間ということもあり水を入れず、彼の大好きな骨をいれてあげていた。Vancouver 到着時の報告によると、cage の中には水皿が入れてあったとのこと。恐らく、受け取った側のカナダのスタッフの配慮と思う。

犬にも個性と犬格は明らかに存在する。

しかし、これから何年かかるか分からないが、犬が物として扱われない時代が来ることを、心から願っている。だからといって、犬が神のように崇められるのではなく、一頭一頭が「個」として認められるようになったら、犬を捨てるなんて出来ない文化になったといえるだろう。

(2005.08.25)

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