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2005年
05月30日

15.パピーについて

子犬の事を英語で “puppy(パピー)” と呼ぶ。まだ小さい子という意味合いがあり、聞こえもかわいい。大型犬、小型犬で、それぞれの時期の大きさは異なるが、大型犬でも幼少期の頃は、まさに「パピー」な動きと表情をしている。

犬に詳しい人でなくとも、その子が子犬かどうかは判断できる。果たして、パピーはいつまでパピーであるのか?この境界線は怪しい。

ドッグフードでも「パピー用」と書かれてあるものがあるが、一体いつまでパピーといえるのだろうか?

街中で通りすがりの人にジャンプをしたり、歩道をウロウロして他の通行人にたとえ迷惑をかけたとしても「まだパピーだからね」で許される場合も多い。しかし、許されるのも今だけ。すべき事に取り組んでおかないと、後で「問題犬」と称されるのは必至である。完全に人間の都合といっても間違いではないのだが、せめて自分の愛犬を「問題犬」扱いされたくなければ、あるいは自らしたくなければ、早い時期から、きちんと自分の新しい家族と向かうべきだ。後からどうにかしようとしても、もう遅い。成犬になってからでは、飼い主側もそれなりの忍耐が必要になる。

一般的に、どのタイミングを「パピー卒業」と見るか、その観点は様々である。体格、性別、性格によって大きく異なる。その中で、ひとつの目安となるのが「behavior(ふるまい)」である。これまでしなかった行動を急にし始める。
これは、子犬の時期の「刷り込みと社会性」を終えた上で、形成された性格が起因するもので、それが「その犬の本質である」と断定することは出来ない。

そこには、飼い主がこれまでその子に与えてきた生活環境と社会性が影響する。
それを飼い主は大いにして「最近うちの犬はバカになった」とか口にする。犬たちは我々人間の何倍ものスピードで成長しているだけに過ぎず、経験が全てである。

さらに、犬は洞察力が非常に優れている生き物だと言うことも忘れてはならない。

たとえ、トイグループに属している小さくてかわいい犬たちでも、愛玩犬として「愛されるような振る舞い」に徹している。介助犬や盲導犬、そして警察犬だけが仕事をしているのではない。家庭犬は家庭犬なりに、愛玩犬には愛玩犬なりの「犬として」の立派な仕事があるのだ。

「急に食欲が落ちる」というのも、思春期の指標になる。 それは、人間同様、自然に体の代謝が落ちることを意味する。 その時期に「急に食べなくなった」ということで、食事を変えるようなことがあると、フードジプシーへとさまよい始める。たまたま食事を残したことで、自分に対する飼い主のアテンションが増えることを犬は喜びと感じ、今後、自分の気分によって食事を敢えて残す術を学ぶ。そうして、飼い主のアテンションの向け方をコントロールし始める。

むろん、そういった犬たち主体のコントロールを心地よい?と感じている飼い主もいるので、それはそれでいいのかもしれない。人間だって、見た目大人でも、精神的に子供な人がいるように、犬の世界でも同じようなことがいえる。

無駄に時間を過ごしても体だけ大きくなるのは同じである。盛んに行われているパピークラスも「生後6ヶ月前後」限定で行っているところもあるが、精神的・社会性という分野から見るとただの「体が大きい犬」にしかすぎず、メンタル的には子供である場合も多い。

大事なのは、あなたの犬にどういう「刷り込みと社会性」を持たせてあげることができか?あるいは、あなたがどれほど、今の愛犬に対して観察眼を持てているか?である。

身長制限如きで、ディズニーワールドの乗り物に乗れないことほど辛いことはない。大きさ(外観)で判断、決断されたくないというのは、万人の想いなのではないだろうか?

パピーから成犬への滑走路を無事に離陸できますように。そのタイミングは、その子が教えてくれます。

(2005.05.30)

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